精密工学基礎講座(会員限定)
精密工学基礎講座(会員限定)
ここでは、精密工学を構成する各分野について、経験豊かな先生により、技術情報の理解・利用のポイントをホームページ上でわかりやすく解説いたします。このコンテンツは精密工学における各分野の入門編として作成されているため、新入社員の配属や配置転換の際などの初心者教育に最適です。
タイトル | 執筆者 |
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微細テクスチャリングと表面機能 | 東京都立大学 名誉教授 諸貫信行 |
標準化の基礎 ※〔第1回限定〕一般公開中! | 東京農工大学 名誉教授 堤正臣 |
研削技術 | 防衛大学校 名誉教授 奥山繁樹 |
画像処理応用システム | 立命館大学 石井明 他 |
研磨技術 | 埼玉大学 河西敏雄 |
工作機械 機能と基本構造 | 元 大阪機工(株)/OKK(株) 幸田盛堂 |
精密測定の歴史 | (株)ミツトヨ 沢辺雅二 |
医療福祉工学 | 東京大学 土肥健純 他 |
精密・超精密位置決め | 静岡理工科大学 大塚二郎 |
3D-CAD | 静岡文化芸術大学 望月達也 |
ナノ計測への招待 | 産業技術総合研究所 黒澤富蔵 |
切削加工 | 東京電機大学 白樫高洋 |
機械製図のための図学入門 | 中央大学 平岡弘之 |
三次元計測における標準とトレーサビリティ | 産業技術総合研究所 大澤尊光 |
~ご利用の際の注意~
- 掲載された基礎講座の内容の全部またはその一部を、無断で他の媒体に、転載しないで下さい。
転載を希望する場合は、本会および執筆者の許可が必要ですので、本会事務局までお問い合わせ下さい。 - 詳細につきましては、精密工学会著作権規程を参照して下さい。
精密工学基礎講座読者アンケートのお願い
各講座の最後に「精密工学基礎講座読者アンケートのお願い」がございます。
「精密工学基礎講座」の内容等に関して、利用者の声をお聞かせ下さい。お忙しいところ恐縮ですが、簡単なアンケートですのでぜひご協力、ご回答をお願いいたします。
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(広報・情報部会)
微細テクスチャリングと表面機能
東京都立大学 名誉教授 諸貫信行
固体表面に微細周期構造(テクスチャ)を設けることで多様な機能的性質を変えることができる。全4回の講義は、生体模倣(バイオミメティクス)を含めた概論と各種加工法の紹介から始まり、摩擦機能、濡れ機能、および光学機能についてそれぞれの設計と製作を行った例について紹介する。
標準化の基礎
東京農工大学 名誉教授 堤正臣
標準化の重要性が叫ばれてからかなりの歳月が経とうとしている。街を走るトラックのボディーに「ISO 9001取得済み」などと書かれていたりするのを見たことがあったが、最近は余り見かけなくなっている。ISOのロゴが知られるようになったのも品質マネジメントシステム(QMS)規格(ISO 9000シリーズ)が登場してからのことで、このロゴが書かれていると、中身はわからないが、この会社は世界的な認証を受けているのだなあと思ったりする。ISO 9001ではなく、JIS Q 9001と書いてあっても、おそらく誰も振り向かなかったかも知れない。
最近は、標準化に関する授業も多くの大学で行われるようになってきている。標準化とビジネス、標準化と特許、標準化と知財との関係、標準化戦略など標準をキーワードとする様々なテキストが数多く発行されている。その中では、標準化の重要性や人材育成に関する内容が多く見受けられる。
筆者は、東京農工大学大学院の農工融合を旗印にする生物システム応用科学研究科(当時)で研究科共通の授業を担当したとき、専門的内容ではなく、誰にでも関係する内容として“国際標準1)”を取り上げたのが標準化に関する授業の最初であった。その内容を拡大して東京電機大学大学院理工学研究科で“工業標準化特論”を展開した。この基礎講座の前半は、授業の教材として使用した内容を再構成し、詳細な解説を加えたもので構成している。
後半は、筆者が長年にわたって日本規格協会、工作機械工業会及び工作機器工業会で行ってきた標準化に対する取組みの中で特に集中して行った規格文書の表現形式、用語の用法などについて、ISO規格及びJISの利用者や作成者を対象として解説している。ISO規格にはISOのルールがあり、JISにもJISのルールがある。JISのルールは、ISO規格のルールに準拠しているが、日本語固有の問題もあって完全に一致しているわけではない。そのことも合わせて解説する。
1)堤正臣、“国際標準を知ろう”、生物に学び新しいシステムを創る(2)、博友社、(2008)、pp49-59.
研削技術
防衛大学校 名誉教授 奥山繁樹
筆者は、学部での卒論テーマに「加圧研削」を選んだ。結果、研削が手に負えない難解な研究対象であることを学んだ。その後、長年に亘って研削を科学することを試みたものの、未だ不明なことも多い。結果、70も半ばを過ぎようとするに至って、後進の奮起に期待するしかないと覚りつつある.このたび、精密工学会から若い研究者や技術者に対して、研削技術の基礎を解説することを求められたので、老骨にむち打ってこれに応えることにした。若い読者の皆さんには、研削を科学することに努めていただき、研削技術の発展・向上に寄与していただくことを切にお願したい。
目次 | 連載(PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
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1.研削加工と研削砥石の概要 | 第1回 (930KB) | 2021年6月4日 |
2.研削砥石のバランシングとツルーイング・ドレッシング | 第2回 (1.0MB) | 2021年7月9日 |
3.研削液の特性とその供給法 | 第3回 (740KB) | 2021年9月2日 |
4.研削加工の幾何学 | 第4回 (910KB) | 2021年11月8日 |
5.研削抵抗とその変化 | 第5回 (1.2MB) | 2022年2月4日 |
6.研削温度の解析と測定 | 第6回 (970KB) | 2022年3月24日 |
7.研削熱の流入割合と熱の影響 | 第7回 (1.0MB) | 2022年5月11日 |
8.寸法の創成過程と加工精度 | 第8回 (1.1MB) | 2022年6月24日 |
9.研削仕上面粗さ | 第9回 (710KB) | 2022年10月6日 |
10.研削加工におけるびびり振動の原因とその抑制策 | 第10回 (680KB) | 2022年12月8日 |
11.研削加工の高能率化・高精度化を目指して | 第11回 (1.1MB) | 2023年2月22日 |
12.曲面の創成と複合研削 | 第12回 (1.1MB) | 2023年7月20日 |
画像処理応用システム
立命館大学 石井明(著者代表・編集責任者)
画像とそのディジタル処理技術は、対象の状態に関する時空間情報を効率的に伝え、必要とする情報を選択、抽出する技術として産業における計測と検査の分野で積極的に導入され、各種の応用技術が開発されてきた。画像処理応用技術は、まず1970年代初頭、プリント配線板パターン検査技術、そしてトランジスタ組立て用全自動ワイヤボンディング装置の位置決め技術として開花し、その後の半導体産業の隆盛と共に進歩発展してきた。そして画像処理応用技術は、半導体産業のみならず鉄鋼、ガラス等素材産業、自動車産業はじめ広く製造業全体に普及し、さらに農水産業など他の産業分野、交通システム、セキュリティなどの社会システム分野、個人認証などのサービス分野にも広く展開し、今日では、AI、ロボットの視覚技術として将来の一層の発展が期待されている。
本基礎講座は、画像処理応用システムの全体像について、技術の現状と将来展望の視点から基本的な理解を得たいと望む精密工学会会員の初学者を対象とし、画像処理技術の基礎的な知識とシステム開発の諸条件についての学びと共に、これらの知識を応用システムの事例を通して確認することができるように全18回の連載講座として構成したものである。
注)本講座の内容は、精密工学会画像応用技術専門委員会設置10周年記念事業として著された画像応用技術専門委員会編「画像処理応用システム 基礎から応用まで」(東京電機大学出版局 2000年7月発行)を基礎講座として再構成したものである。
目次 | 連載(PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
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1.計測・検査システムへの画像処理技術の応用 石井明(立命館大) システムの構成/ 計測・検査への導入の意義/応用分野/システムの開発条件 |
第1回 (870KB) | 2017年3月31日 |
2.画像計測・検査技術の基礎 Ⅰ 加藤純一 画像形成のための基本要素/光の強度を利用した画像形成 |
第2回 (1.7MB) | 2019年12月24日 |
3.画像計測・検査技術の基礎 Ⅱ 高谷裕浩 光の波動性を利用した画像形成 |
第3回 (5.0MB) | 2020年9月7日 |
4.画像計測・検査技術の基礎 Ⅲ 井口征士 三次元画像形成 |
第4回 (3.8MB) | 2020年10月8日 |
5.画像計測・検査技術の基礎 Ⅳ 五十嵐悟、渋川勝久 画像信号処理 |
第5回 (1.1MB) | 2020年11月10日 |
6.画像計測・検査技術の基礎 Ⅴ 金子俊一 画像認識の手法 |
第6回 (760KB) | 2021年3月3日 |
7.画像計測・検査技術の基礎 Ⅵ 浅野敏郎、秦清治 感覚量の評価 |
第7回 (1.3MB) | 2021年4月6日 |
8.画像計測・検査システムの設計 西川喜八郎 システム設計/ 仕様決定と基礎実験/ 仕様とデザインポリシー |
第8回 (6.0MB) | 2021年6月18日 |
9.画像計測・検査システムの構築 Ⅰ 石井明(香川大) 見つける |
第9回 (8.0MB) | 2021年8月18日 |
10.画像計測・検査システムの構築 Ⅱ 村松彰二 数える |
第10回 (5.2MB) | 2022年2月9日 |
11.画像計測・検査システムの構築 Ⅲ 肥塚哲男 形を測る |
第11回 (4.6MB) | 2022年4月25日 |
12.画像計測・検査システムの構築 Ⅳ 高増潔 合わせる |
第12回 (2.1MB) | 2022年8月4日 |
13.画像計測・検査システムの構築 Ⅴ 宇野伸⼀ 識別する |
第13回 (3.9MB) | 2022年11月15日 |
14.画像計測・検査システムの構築 Ⅵ 原靖彦 比較する |
第14回 (1.9MB) | 2022年12月28日 |
15.画像計測・検査システムの構築 Ⅶ 中野宏毅 記号・文字を読む |
第15回 (1.7MB) | 2023年4月13日 |
16.画像計測・検査システムの構築 Ⅷ 伊藤裕 見えないものを視る |
第16回 (950KB) | 2023年7月25日 |
17.画像計測・検査システムの構築 Ⅸ 谷水克行 感覚量を測る |
第17回 (2.0MB) | 2023年9月25日 |
18.画像応用システムの発展と展望 原靖彦 電子産業における画像応用技術の展開/ 画像応用技術の現状/ 今後の展望 |
第18回 (2.0MB) | 2024年1月22日 |
研磨技術
埼玉大学 河西敏雄
我々の身の回りにはさまざまな部品・装置・システムなどがあり、それらの製法として多岐にわたる加工法や処理法が用いられてきた。なかでも砥粒を用いる研磨法は、粗面から鏡面に至るさまざまなレベルの仕上げが可能であり、その歴史も古い。特に光学研磨は、ルネッサンス時代から今日に至るまでの間に様々な光デバイスを提供し、「光学」の発展に大きく寄与してきた。現在では、単に光学分野だけでなくもっと幅広いオプトメカトロニクスで表現される複合・多分野で用いる先端的な部品・システムの製作でも重要な加工・生産技術のひとつになっている。
本講座では、筆者のこれまでのほぼ50年間にわたる加工技術研究やものづくりの経験をもとに、高品質、高精度に仕上げるための研磨の基本技術と具体的な部品作製で必要になった技術改善例などを詳細に述べ、半導体デバイス性能向上に関連したCMP技術や難加工性材料の最新加工技術に関し、最新情報の説明を行う。
工作機械 機能と基本構造
(元 大阪機工(株)/OKK(株) 幸田盛堂)
「機械を作る機械」として「マザーマシン(母なる機械)」と呼ばれている工作機械は、一国の工業水準のバロメータとなる機械であり、日本のモノづくりに最大の貢献をしてきた機械である。
工作機械そのものは一般にはなじみの薄い機械であるが、我々の身の周りの日用品や工業製品のほとんどが、その生産プロセスにおいて多種多様の工作機械に大きく依存しているといっても過言ではない。それらの製品の生産プロセスを知れば意外と身近な機械であることが理解できる。
このように特異な一面をもつ工作機械であるが、そのデザインポリシは一般の産業機械とは大きく異なっており、それだけに開発設計者にとっては魅力のある設計対象である。また、使用者は工作機械の機能や特性を理解することにより、モノづくり力(製造力)を大幅に高めることができる。
本講座では、過去40年にわたる工作機械および加工技術に関する実務経験をベースに、開発設計者および生産技術者の立場に立って、新たな目線で工作機械およびその周辺技術の全体像について解説する。
目次 | 連載(PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
---|---|---|
1.工作機械とは | 第1回 (4.3MB) | 2013年5月9日(2023年1月31日) |
2.工作機械の歴史と生産システムの変遷 | 第2回 (13.2MB) | 2013年9月30日(2023年2月7日) |
3.企業活動と工作機械の生産 | 第3回 (29.0MB) | 2015年9月29日(2023年2月15日) |
4.工作機械の種類と基本構成 | 第4回 (8.5MB) | 2017年9月4日(2023年2月17日) |
5.工作機械の特質と剛性設計 | 第5回 (9.1MB) | 2018年2月2日(2023年2月28日) |
6.工作機械の運動精度と加工精度 | 第6回 (13.3MB) | 2018年8月22日(2023年3月8日) |
7.主軸系の基本設計と性能評価 | 第7回 (24.2MB) | 2020年7月27日(2023年5月16日) |
8.送り系の基本設計と性能評価 | 第8回 (40.4MB) | 2022年11月9日(2023年8月8日) |
精密測定の歴史
((株)ミツトヨ 沢辺雅二)
精密測定と言うと何の精密測定かと一般には言われるかもしれない。長さ関係ばかりでなく、最近では電流、圧力、流量、温度等、各種物理量の精度の向上によって、寸法の精密測定とか長さの精密測定と言わないといけない場合がおこっている。精密測定と言う言葉は戦前からの使用による優先権によって使ってきているのが現状であるし、精密工学会においては、対象が限定できることから、従来通り通用する言葉である。
物理学の分野では物性と計測計量とに分けられ、現在、前者が物理学の主対象であり、後者は物理量の限界に近い分野のことが対象にある。各国の物理学研究所とか物理工学研究所は、物理量の標準設定・向上・維持の研究が多くの部分を占めてきたと言える。
測定は科学及び技術において不可欠なものである。科学現象、技術問題の表現に於いて、測定によらなければ定量的な意味を持たすことが出来ない。測定では「もの」が生産できないが、測定なしでは「確かなもの」ができず、品質が確定できない。必要とするものを確実に供給するためには測定なしではかなわない。測定は、文化のなかで物の形成等に係わり、文明の進化に寄与してきている。その歴史は測定のバックグランドを示しており、それをみつめることは、現在そして将来への道をもしめしていると言ってよいであろう。
精密工学基礎講座であるから、特に長さの単位の移り変わりから入り、各種測定機器の変遷、測定技術の発展について5回くらいの連載を予定している。
この記述が測定および生産関係の読者の方々にお役にたてば幸いである。
医療福祉工学
(東京大学 土肥健純 他)
医療工学と福祉工学について、半期15週の講義内容をまとめたものである。現在の医療の発展、特に20世紀後半の医学の飛躍的発展は診断機器の進歩なくしては不可能であった。診断の次は治療である。そして診断機器に比べてリスクが高い治療機器はこれからが出番といえる。すなわち21世紀の医療、特に治療成績の向上は工学技術の支援があってこそ実現可能である。また、我国の超高齢社会もふまえて、医療機器開発者および福祉機器開発者にとって必要な生体の基礎知識、医療機器および福祉機器の特殊性に関する基礎知識について述べる。機器開発の特殊性に関しては、それを理解するのに適すると思われる分野を取り上げて解説する。
目次 | 連載(PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
---|---|---|
1.はじめに | 第1回 (150KB) | 2008年6月16日(2010年2月2日) |
2.生体計測概論 | ||
3.生体の電気的特性礎 | 第2回 (380KB) | 2008年6月16日(2010年2月2日) |
4.生体の電気的計測 | 第3回 (320KB) | 2008年 6月16日(2010年2月2日) |
5.生体の磁気的計測 | ||
6.血液と物理化学的計測 | 第4回 (400KB) | 2008年9月12日(2010年2月2日) |
7.心臓 | 第5回 (740KB) | 2011年6月28日 |
8.医用画像 | 第6回 (680KB) | 2009年7月16日(2010年2月2日) |
9.1.代謝系人工臓器 | 第7回 (560KB) | 2011年3月28日 |
9.2.循環系人工臓器 | 第8回 (710KB) | 2013年3月4日 |
10.1.コンピュータ外科の発展による効果 | 第9回 (790KB) | 2011年7月22日 |
10.2.治療用画像と画像表示 | ||
10.3.医用画像のレジストレーションと手術ナビゲーション | 第10回 (1.5MB) | 2011年10月25日 |
10.4.外科医の新しい手 | 第11回 (590KB) | 2012年5月1日 |
10.5.支援ロボット研究の現況 | ||
10.6.コンピュータ外科の新分野 | ||
11.手術用機器と安全性 | 第12回 (350KB) | 2012年2月14日 |
12.1.日本の高齢社会 | 第13回 (340KB) | 2012年10月19日 |
12.2.福祉機器開発 | ||
12.3.福祉機器の種類 | 第14回 (360KB) | 2013年6月4日 |
13.ユニバーサル・デザイン | 第15回 (1.3MB) | 2013年8月5日 |
14.育児工学 | 第16回 (450KB) | 2014年2月24日 |
精密・超精密位置決め
(静岡理工科大学 大塚二郎)
精密位置決めのカギは「高精度化」と「高速化」であり、それに最近は「低価格化」が加わった。
ここではまず第1章で、「精密位置決め」がやがて「超精密位置決め」へと発展し、それが現在注目されている「ナノテクノロジー」(トップダウン型)へと移っていく過程について述べる。しかる後に、第2章で位置決めの基本、基礎について触れる。
第3章「高精度化」では、精密工学の基礎に戻って実例を上げながら説明する。第4章「高速化」では、「高精度化」との両立をいかにして達成するか、そして「リニアモータvsボールねじ」を工作機械を例にとって解説する。第5章「デジタル制御」では最近20年間の制御技術をふり返り、これから益々デジタル制御が位置決め技術の重要度が増すことを述べている。第6章「コストダウン」ではValue Engineeringの観点から、ここではコストを下げる具体的な例を上げて説明する。
目次 | 連載(PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
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はじめに | はじめに (150KB) | 2006年11月7日(2010年7月7日) |
精密位置決めから超精密位置決めへ、そしてナノテクノロジーへ | 第1回 (670KB) | 2006年1月19日(2010年7月7日) |
精密位置決め技術・超精密位置決め技術の基礎 | 第2回 (460KB) | 2006年1月19日(2010年7月7日) |
高精度化と高分解能化 | 第3回 (710KB) | 2006年11月7日(2010年7月7日) |
高速化 | 第4回 (490KB) | 2006年11月7日(2010年7月7日) |
デジタル制御 -高分解能化と高速化の同時達成のために | 第5回 (210KB) | 2006年11月7日(2010年7月7日) |
コストダウン | 第6回 (290KB) | 2006年11月7日(2010年7月7日) |
最後に | 最後に (120KB) | 2006年11月7日(2010年7月7日) |
3D-CAD
(静岡文化芸術大学 望月達也)
近年、多くの製造企業に3次元CADシステム(以後、3D-CADと記す)が導入され、設計製造で活用されるようになってきた。また、工学系の大学や高専でも3D-CADによる設計教育が試行されている。工業教育でも産業界でも、2次元製図を中心とする設計活動から、コンピュータモデルを操作しながら設計を進めるというスタイルに変わりつつある。
そこで、今回は、機械設計における3D-CADの役に立つ使い方、3D-CADと工学解析(CAE)、および3D-プリンターによる設計モデルの製作について解説する。
なおこの講座では3D-CADとしてSolidworksを使用する。
ナノ計測への招待
(産業技術総合研究所 黒澤富蔵)
本講座はナノメトロロジーを専門とする名野先生が、精密工学を専攻する学生朱儒君の質問に答える形式で「ナノ計測」とその周辺のエピソードを混ぜて分かりやすく解説します。
第一回は序論に代えて、1.ナノの世界にようこそと題し、日頃名野先生が考えていること、針とナノ計測の小史、ナノテクの夢と課題、そしてナノ計測と計量標準の役割にちょっと触れます。
第二回目からは精密工学専攻生にも興味と役立つような話題、2.ナノの世界の物差し、3.物差しとプローブの関係(1)、4.物差しとプローブの関係(2)について紹介します。
切削加工
(東京電機大学 白樫高洋)
切削加工は高精度製品の実現のために最も多用される加工法であり、加工できる形状が多用であり、かつ加工精度も向上の一途をたどっている。
特に近年では工作機械と工具の発達により、高硬度の材料を高精度で任意の形状に切削することが可能になりつつあり、後工程の研削や磨き加工を省くことが可能になり切削加工を製品の最終加工とする傾向が加速されている。
この講義では、切削加工全般の内容を次の7章に分けて説明する。
目次 | 連載(PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
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切削加工と切削現象 | 第1回 (360KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
切削力 | 第2回 (330KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
第3回 (410KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) | |
切削温度 | 第4回 (390KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
切削工具 | 第5回 (290KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
第6回 (460KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) | |
第7回 (270KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) | |
第8回 (260KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) | |
切削油剤とその作用 | 第9回 (170KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
各種の切削加工 | 第10回 (410KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
加工精度 | 第11回 (290KB) | 2002年8月2日(2010年7月28日) |
機械製図のための図学入門
(中央大学 平岡弘之)
思った形を正確に表現し図に描く、その逆に図に描かれた形を正しく読み取れるという能力は、3次元CADが普及した現在でも機械技術者の必須の基礎能力の一つである。本稿では、図学の中で機械の図面を扱うために必要と思われる基本的な部分を簡単に解説することを試みた。
機械製図は、図学に基づいて描いた図形と、製図法に基づくさまざまな記法とを加えて描く。製図法については別の解説書を参考にしてほしい。また、図学では曲線、曲面や複雑な干渉なども扱えるが、一般の機械図面ではそれほど多く出てこないし、また製図特有の省略表現などもあるので、本稿では省いてある。興味のある方はこれも他書にあたられたい。
本稿は、パワーポイントのスライドショー機能を利用して図を描いていく手順がわかるようにしてある。機械系の図面に慣れていない方、どうも図面が苦手な方に利用していただければ幸いである。手元に定規とコンパスを用意して、図を描きながら見ることをお薦めする。
三次元計測における標準とトレーサビリティ
(産業技術総合研究所 大澤尊光)
現在、ISO9000 や PL 法など製品を作り販売している企業にとっては、頭を悩ませる問題がある。しかし、製品を作り出す上でその品質がきちんとなっているかということは、購入する側にとってはとても大切なことである。これらクオリティーシステムをきちんと管理する上で大切となるのが、計測である。長さや重さ、圧力など様々な量が何らかの計測器を用いて測定されている。この測定された値が本当に正しいのか?国家標準ときちんとつながりを持っているか?ということがとても大切である。また、計測分野では最近、「測定の不確かさ」というものが大切になっている。これは、従来の考え方だと「測定誤差」と呼ばれていたものに相当する。この測定の不確かさをきちんと測定後に算出できないとその測定は無意味なものとなってしまう。
この講義では、三次元測定を例にあげ、現在主流となっている三次元測定機について問題点や測定の不確かさ、トレーサビリティ体系について説明をしている。とくに、測定の不確かさという考え方は、計測分野においてとても大切なものとなっているので皆さんにも広く理解いただきたいものである。
講義は、4つのパートを持っている。1番目は長さ標準について、2番目はトレーサビリティについて、3番目は三次元計測(接触式、非接触式、レーザトラッキング方式等)、4番目は測定の不確かさについてである。レーザトラッキング方式の測定機は、私のところの研究テーマであり、とても高精度に三次元空間座標を得ることができるものである。
この講義が皆さんにとって有意義であることを期待します。
目次 | (PDFサイズ) | 公開日(最終改訂日) |
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1.長さの標準 2.トレーサビリティ 3.三次元計測 4.三次元計測の信頼性と不確かさ |
本文 (1.2MB) | 2002年2月(2010年7月29日) |